因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか ジューディア・パール

人工知能研究者である著者パール氏は、強い人工知能を作るために、機械が因果関係を理解する必要があると考えた。しかし伝統的な統計学は因果関係を意図的に避け続けた学問であり、因果を表現する記法すら持たなかった。そこで著者は因果推論を研究する"旅"に出る。その旅の本なので、因果推論の手法とともに"因果革命"の歴史も学べる本。なお著者は2011年にACMチューリング賞を受賞している。因果推論の手法についてのみ知りたいだけなら、金本本1がいいと思う。

因果のはしご

冒頭で「因果のはしご」について説明され、このはしごの順序に従って因果推論の算法を深掘りしていく。

因果のはしご (本書図1-2より)

因果のはしご (本書図1-2より)

3段階目の「反事実」を理解することが、因果関係を理解する知性のカギであり、ひいては自由意志を持つロボットの開発へとつながる。

原著は2018年出版で、OpenAIのGPT-3公開前。今のLLMブームについてパール氏はどう考えているのか、いくつかインタビューが見つかる。いずれも、LLMは深層学習の延長でしかなく、因果関係を"杜撰な"方法で表している過ぎない、という立場のよう。

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  1. 因果推論: 基礎から機械学習・時系列解析・因果探索を用いた意思決定のアプローチ (Amazon↩︎