スピードトラップとは、急速な成長を追求するあまり、持続可能性や内部リソースの限界を超え、結果的に企業の成長や存続の危機に陥る状況のこと。スタートアップ企業が直面する典型的な課題の1つ。起業の失敗大全1では、以下のステップで説明している。

  1. 機会の発見
  2. 強力な初期の成長
  3. 資金調達の成功
  4. 競合の登場
  5. 飽和
  6. 人材確保のボトルネック
  7. 追加された構造
  8. 社内の不和
  9. 倫理的な過ち
  10. 投資家のアラーム
  11. エンドゲーム

競合が登場する4.あたりまでは順調であり、市場の飽和を予兆できるか、あるいは飽和していることを分析できるようなモニタリングをしているかの5.あたりが分岐点だろうか。同起業の失敗大全では、スピードトラップを避けるRAWIフレームワークを紹介している。

  1. Ready?: 納得のいくビジネスモデルか。ターゲット市場の規模は見込めるか
  2. Able?: 急速な事業拡大に必要な人材や資金にアクセスできるか。あるいはメンバーの育成は可能か
  3. Willing?: メンバーはビジネスの成長に熱心か?ビジネスの加速の伴う痛みへの覚悟はできているか
  4. Impelled?: 潜在的な競合他社を呼び込む可能性はあるか
図: RAWIフレームワーク

図: RAWIフレームワーク

この1. Readyを分析する手法の1つに、顧客獲得コストのコホート分析がある。


  1. 起業の失敗大全――スタートアップの成否を決める6つのパターン (Amazon↩︎