起業の失敗大全 スタートアップの成否を決める6つのパターン トム・アイゼンマン

成功するスタートアップの裏で数多くの夢破れたスタートアップの屍が転がっている。長年ハーバード・ビジネス・スクールにて起業家を育ててきた著者が、なぜうまくいかなかなかったのかを分析しまとめた本。ここでいう(ベンチャー起業の)失敗とは、初期の投資家が投資した金額以上の資金を回収できなかった場合、あるいは今後の回収できない場合を指す。

起業家は必然的に直面するリスクには以下の4種類がある。

  1. 需要リスク
  2. 技術的リスク
  3. 実行リスク
  4. 財務リスク

これらリスクにうまく対処したつもりになっても、うまくいかない時はうまくいかない。面白かった話は以下にまとめた。

個人的にドキドキした文を以下に引用する。

マーク・アンドリーセンは、多額の資金を調達したスタートアップは、「自己満足、怠惰、傲慢の文化に染まってしまう」と指摘しています。その結果、1)過剰な雇用とそれに伴うマネジャーの多さによる意思決定の遅れ、2)社員が「緊急性はないのではないか。キャッシュはいくらでもある」と考える結果、スケジュール管理が甘くなる、といった機能不全に陥ってしまいます。

Chapter 1 ビジネスが先か、経験が先か

イェシーバー大学ビジネススクールの学長であるノーム・ワッサーマンの分析によると、共同創業者が、家族や、ベンチャー企業を立ち上げる前からの親しい友人の場合、共同創業者の関係は安定せず、破綻する可能性が高いとのことです。同じような目標や価値観を持ち、お互いの長所や短所、習慣、癖などをすでに知っているなど、親しい友人や家族と一緒にビジネスを始める理由はたくさんあります。しかし、個人的に親しい関係にある共同創業者は、役割や戦略について、厳しい話し合いをしにくくなるのです。衝突することで、個人的な関係が損なわれることを恐れるからです。

Chapter 2 良いアイデアと悪い相棒