もはや相互と呼ぶにはだいぶ苦しい"相互"関税が施行されることになり、nikkei.comの4月4日のトップページはほとんど相互関税関連のニュースで埋め尽くされていた。相互関税の根拠である関税率の導出は「貿易赤字÷輸入額」と予想されるが、ここでの輸入額の算出は疑問が多く1、そもそもこの数式の意味も理解に苦しむ。算数の分からない大統領だが単位がちゃんと通貨を率にしているだけマシ、みたいなレベル。

この数字は米大統領経済諮問委員会(CEA)が国際貿易の経済文献や政策実務から非常によく確立された方法論を使って算出したものだ

「トランプ関税」の税率、貿易赤字÷輸入額で計算か - 日本経済新聞1

ブランジャール先生のコメントとコクラン先生の返信。貿易赤字や黒字をどうこうすることは巡り巡って意味がない。その間にEUは自由貿易で追い越せ。

関税による経済政策は、米大統領経済諮問委員会(CEA)のスティーブン・ミラン委員長によるハドソン・ベイ・キャピタルレポートで詳しく論考されている。

A User’s Guide to Restructuring the Global Trading System

Executive Summary斜め読み+拾い読みだけど、

  • 貿易不均衡とドルの過剰評価がアメリカの主に防衛費と製造業への負荷が大きい
  • 関税によって軽減が可能
  • 過去の第1次トランプ政権での中国に対する関税率引き上げでは、同時のドル高によりインフレへの影響は軽微だったという根拠

壮大な社会実験だ。