いくつかの記事で"Cheapflation"という単語を見かけた1。Shrinkflation(ステルス値上げ)とはまた別の現象の名前。

Shrinkflation(ステルス値上げ)

辞書的には、商品の価格を据え置いたまま、内容量やサイズを減らすことで実質的な値上げを行う現象のこと。話題になっていた5年前と比べると更新頻度は減ってはいるが、いつの間にか容量が減っている商品wikiなるまとめページまである。

ステルス値上げとShrinkflationは対訳として使われることが多いが、微妙にニュアンスが違うらしい。日本語のステルス値上げの方が広範囲で、多少値上げしていても、サービスが追加されたり(ただしほぼ使われない)、個数が増えたり(ただし総内容量は減っている)するものも含まれているらしい。

Cheapflation

辞書的には、商品の価格を維持するために、製品やその材料の品質が低下する現象のこと。品質の低下を観点においている部分がShrinkflationとは異なる。質が悪くなっているのてより始末が悪い。

起きている現象に対して、日本人特有の価格弾力性や小売店同士の競争などからいくつか分析がある。物価全体の分析では日銀のレポート、過去 25 年間のわが国経済・物価情勢: 先行研究と論点整理がサーベイとして面白かった。ちなみにこの論文はステ"ル"スではなくステ"レ"スだが、ステルスの方が一般的だと思うので、このメモはステルスにしている。

ファミマがのり無しおにぎりに注力している2。企業努力の範疇といえそうだけど、のりに並々ならぬこだわりがある人にとってはCheapflationなのかもしれない? おにぎりは2024年にOxford辞典に掲載されている3が、" typically wrapped in dried seaweed"と説明されている。