富は親から子へと固定化されており、かつ子が親の所得を超えられない、というコラム1で、ギャッツビー曲線が紹介され、下記プレゼンテーションが引用されていた。
このギャッツビー曲線は、コラック教授の研究テーマの1つで、2012年に米国経済諮問委員会の委員長だったクルーガー氏がスピーチ内で紹介したことにより、有名になったらしい2。
ギャッツビー曲線は、横軸に所得の大きさの指標であるジニ係数、縦軸に親とこの所得の連動性を表す世代間所得弾性値をプロットする。曲線が右上に位置するほど所得格差が大きくかつ、貧困層が努力で裕福になることが難しい、とされる。下図はコラック教授のコラムより引用3。

The Great Gatsby Curve
この概念は、アメリカンドリームの幻想を象徴するものとして注目された。つまり、アメリカは努力すれば成功できる、という理想は実際は親の経済状況によって大きく左右されることを示している(と主張している)。
日本は他の国と比べると、格差はそこまでひどくはないが良くもない。ジニ係数は徐々に上昇しているが、子が親の所得を超える確率も低下しているということは、激しく右上というより右に向かっていくと予想される。