先日本屋で岩波新書と中公新書が同じポップを出しているのを見かけた。どうやらライバル2社が合同フェアを開催しているらしい。
- 岩波新書(岩波書店): 1938年創刊、日本初の新書シリーズ。学術的・思想的な内容が多く、硬派な教養書が中心。
- 講談社現代新書(講談社): 1964年創刊。政治・経済・思想・芸術・サブカルなど幅広いテーマを扱う。比較的読みやすく、時事的な内容も多い。
- 中公新書(中央公論新社): 1962年創刊。歴史・哲学・社会科学などの学術的な内容が充実。若手研究者の著作も多く、幅広い読者層に向けた教養書を提供。
これら3つは新書御三家と言われている。
岩波新書が圧倒的に古いが、新書というジャンルが認められたのは1960年代。当時インテリ向けだった岩波新書に対し、光文社が「新たな読者層を掘り起こす」ことを狙ってカッパブックスを刊行。新書というジャンルの確立を決定づけたらしい。
- カッパブックス(光文社): 1954年創刊。2005年光文社新書登場により新刊の発売停止。大衆向けの教養書として人気を博した。
「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」によれば、、「記憶術」1や「頭の良くなる本」2などで人気を博したカッパブックスは自己啓発書の源流であり、本をインテリ階級から解放する行為、としている。
戦後、カッパ・ブックスの登場によって、「本」は明日のビジネスに役立つかもしれない知識を授けてくれる存在にもなる。
英語に強くなる方法も、頭の良くなる方法も、記憶術も、伸びる企業の予言も、いずれも、明日のビジネスに役立つ知識を教えてくれる。それは「本」をインテリ階級から解放する行為でもあった。
第4章「ビジネスマン」に読まれたベストセラー