人が壊れるマネジメントプロジェクトを始める前に知っておきたいアンチパターン 50 橋本将功

世の中には良い失敗と悪い失敗がある。良い失敗とは、成長や学びの機会をもたらし、次の成功につながるようなもの。とすると、悪い失敗とは、何の学びもなく、ただ損失を生むだけで、組織や個人に悪影響を与えるものである。この悪影響を「人を壊す」として、人が壊れてしまうアンチパターンを羅列したのが本書。

プロジェクトは成功すれば業務効率を向上させたり、大きな売上を立てたりすることができますが、失敗すれば事業面・人材面で非常に大きなデメリットが生じます。このデメリットの中で最大のものは「人を壊す」ことです。過小な体制や非現実的な計画、一人のマネージャーや担当者に背負わせるには大きすぎる期待や責任を、難しい取り組みを担おうとする意欲的で優秀な人材に背負わせてしまい、結果としてプレッシャーや過重労働で潰してしまうのです。

Introduction (p6)

自身がマネージャーをやっているいないに関わらず、何らかの形でマネージャーのいる環境で働いていれば、体験したか耳にしたことがある話がたくさん。対処方法は至って標準的。以下はその一例。

  • タスクの丸投げ、指示が曖昧: 5W2H1をしっかり伝えましょう
  • 評価が不公平、責任が重い: マネージャーは業務を深く理解しましょう。遂行責任はプロジェクトに、実行責任は経営陣にあることを明示しましょう
  • 目標が不明確、朝令暮改: 数年後の目標を見据えた現在の課題もとに戦略を立てましょう
  • 感情のトラブル、人間間・チーム間の不和: 価値観の違いを認め、オープンなコミュニケーションを心がけましょう。

プロジェクトマネジメントツールやタレントシステムなど、情報の円滑化を目的としたシステムの導入は有効かもしれないが、結局は人が頑張るしかない。そして、“人"ではなく"プロセス"をマネジメントするよう常に意識する。どうせ他人の(も自分のも)感情はコントロールできないし。

適切なマネジメント方法は人ではなく、プロセスをマネジメントすることです。

アンチパターン05 マイクロマネジメントで壊れる (p50)


  1. 何の作業(What)を、何のために(Why)、誰が(Who)、誰に(Whom)、どこで(Where)、いつまでに(When)、どのように(How)、どれだけ(How much)やるべきなのか (p21) ↩︎