先日の参院選与党大敗に対する、日経新聞の有識者インタビューで、以下のコメント。

ただし、地政学イベントの多くは長期的に株価やバリュエーション(投資尺度)に重要な影響を及ぼさないことも事実だ。韓国での戒厳令が同国の市場に及ぼした影響は1週間も続かなかった。

参議院選挙与党大敗「減税なら長期金利1.6%超えも」 欧米投資家に聞く - 日本経済新聞

結局のところ実際の影響力ってどんなものなんだっけ、と思ったのでいくつか論文を読んでみる。結論から言えば、地政学イベントの影響は一様ではなく、概ね短期的な影響は大きいが長期的には限定的である。もちろん例外がある。それが本当にブラックスワンなのかグレーリノなのかは意見が分かれるが。

  • 80年間の地政学的イベントと市場パフォーマンスを分析
  • ほとんどは持続的影響を及ぼさない
  • 一方で、地域市場によっては長期的な影響を及ぼす。例として1973年の石油ショックは株式市場のリターンに長期的影響を与えた
  • 地政学リスクとその1年後の株価パフォーマンスを、29の経済圏で分析。
  • リスクの種類によって影響度は異なる。
  • 地域要因だけでなく、関与国の違いによっても相関が異なる。例えばイベントにより株価が上昇する=ヘッジとして機能する地域がある
  • 地政学リスク指数(GPR)が株式市場と金融ストレスに与える影響を、新興国と先進国で比較分析
  • 新興国はGPR情報により、株式市場のボラティリティが増加、金融ストレスが深刻化
  • GPRの影響は、先進国は株式市場に限定されるが、新興国では金融市場全体に波及する