先日読んだ「エンジニアリング統括責任者の手引き」(メモ)にあった気になる表現。

ソーシャルメディアに頻繁に参加していると、その現実歪曲フィールドに吸い込まれやすくなる。あるオンラインコミュニティで多くの時間を過ごすと、そのコミュニティで有名であることがプロとしての信用と同じように感じられてしまう。

12章 個人と組織のプレゼンスを高める

「エンジニアリング統括責任者の手引き」には、統括責任者を全うする個人のブランディングについても書かれており、結論は「情報発信のブランディングは非効率的」とにべもない感じで書かれている。

それはさておき、SNSのグループで心地よく過ごすことを、エコーチェンバーでも井の中の蛙でもなく、現実歪曲フィールドと表現するのはなんか新鮮。おそらくは、限定的な空間での評価が、普遍的な価値と錯覚することを表しているのだと思われる。

現実歪曲フィールドは、元々は、スティーブ・ジョブズのカリスマ性を言い表したもので、周囲の人々=Appleの開発者が現実を歪めて認識してしまうような強い影響力を指す1。そうした非現実的とも言えるカリスマ性を指す良い意味でも悪い意味でも畏敬の含まれた表現として「現実歪曲フィールド」だった。

スティーブ・ジョブズ I ウォルター・アイザックソン

こちらの伝記にも、現実歪曲フィールドについて幾つかの記載がある。

そしていつの間にやら、オンラインコミュニティでの信用や価値の錯覚に使われるようになったらしい。

現実歪曲フィールドとは違うが、何度聞いても学びのあるスピーチ。Connecting the dotsは大切にしたい考え。