IOI(Indication of Interest、出資意向表明書)とは、出資する意思があることを示す初期的な文書。投資金額のレンジ、評価額の案、デューデリジェンスやTerm Sheet提示など次のステップへの移行、必要な追加資料の要求などが書かれる。

あくまで、関心がありますとか、前向きに検討中という、誠実な意思表示を示す役割。法律に基づいた契約ではないため、当事者は法的拘束力はない、という前提で使うことがほとんど。

出資に関する文書の略語の整理。時系列順で並べたつもり。

文書位置づけ内容の具体性法的拘束力主な用途
IOI (Indication of Interest、出資意向表明書)最も初期非常に粗い(レンジが多い)なし投資の関心を伝える、一次選考材料
LoI (Letter of Intent意向表明書)初期~中期IOIより具体的通常なし(ただし一部拘束あり得る)当事者の基本姿勢や方向性を共有する
MoU (Memorandum of Understanding、了解覚書)中期具体性あり原則なし(拘束条項を含むことも)共同検討・協力関係への合意
MoA (Memorandum of Agreement、基本合意書)中期~後期かなり具体的部分的に拘束力を持つ主要条件の合意、契約書案の前段階

いずれも契約書ではないが、取引の中止によって何らかの不利益を被った場合に、MoAが契約書と同義かが焦点になった裁判はいくつかある。

他に、基本合意した契約の概要や骨子などを箇条書きにしたTerm Sheetがある。

最近、この辺のプラットフォームを調べていた時、東証がIOIプラットフォームの検討を始める、というニュースを知った。

IOIとMoUが並んでいて面白いと思った、それだけ。