限られた電力供給を先んじて確保するために、実現性の怪しいデータセンター建設計画を申請する「ゴーストデータセンター」が横行しているらしい。

安定した電力供給網がゼロから完成するのは10年単位であり(記事中だと7〜10年)、昨今のデータセンターブーム下では、さもありなん。

電力網への新規接続申請の急増については、9月にWSJが報じていた。

記事内でも、申請されたデータセンター計画の実現性を疑問視しているインタビューが載っている。もしインフラ開発が過剰だった場合に割を食うのは地域住民である。なお、WSJは Phantom Data Centerと呼んでいる。

中国では、既にゴースト化したデータセンターがあるとかないとか。執筆者のJS Tan氏はゴーストタウンになぞらえて、Ghost Infrastructureと呼んでいる。

Behind the dazzling progress of its frontier AI models is an infrastructure story rife with inefficiency—hundreds of facilities built in a frenzy, now sitting idle or chronically underused.

(最先端AIモデルの驚異的な進歩の裏には、非効率性に満ちたインフラ整備の実態が隠されています。熱狂のあまり建設された数百ものデータセンターが、今や遊休状態にあるか、あるいは慢性的に稼働率が低いまま放置されているのです。 )

正確には上で紹介した「電力需要の先取り」とは異なり、2020年代のAIブーム初期に乗って先行投資したデータセンターが、近年のLLMの要求するスペックに見合わないことが背景で、遊休化している。コラム内では、こうした過剰投資は、不動産バブルやEVバブルと同様、中国政府が産業育成を強力に指導する悪い点だと指摘する。