エッセンシャルワーカーとは、社会の機能や生活基盤を維持するために不可欠な労働を担う人々を指す言葉。医療・看護・介護従事者、警察消防などの安全インフラ、配送・物流、公共交通機関、小売店員、教育・保育関係者など。

コロナ禍で扶養普及の活動が制限される中で、人々の生活を支えるために現場で働き続ける一方、感染リスクが高い労働者として注目された。その職種の多くは賃金や労働条件に課題が多いことも問題視されたが、今も根本的な解決はされていない。

ドイツのメルケル首相(当時)の在任最後の新年スピーチで、これらエッセンシャルワーカーと呼ばれる人たちへ深く感謝を述べたことで、このカテゴリの存在をより広めた1

ちなみにドイツ語では"Systemrelevante Branchen und Berufe"で、Wikipediaだと"Systemrelevanz"のページに書かれている2。Systemrelevanzは社会システムにとって不可欠であること、という意味だが、“Too big, too fail”(大き過ぎて潰せない)を指す言葉でもある3

コロナ禍当時は同じ意味で"key worker"という単語もよく使われたが、エッセンシャルワーカーに収斂している模様

エッセンシャルワークは、大小はあるが非常に感情労働(メモ)の側面も強いカテゴリである。エッセンシャルワークが低賃金な構造的理由はさまざまな側面から研究されているが、感情労働を市場価値や生産性に反映しにくい、という指摘がある。感情労働研究のバイブル「Managed Heart(Amazon)」では、感情労働は商品化されるが賃金に反映されず、生産性として可視化されない、と言及されている

DXによる生産性と賃金の向上でエッセンシャルワークとホワイトカラーとの賃金格差を減らし、戦略的にホワイトカラーからエッセンシャルワーカーへの転換を図るべき、とは冨山和彦氏の弁