Plan9やGCCの開発に携わり、12年間Go言語の開発リーダーを務めたRuss Cox氏へのインタビューとても面白かった。
なんとなく面白ポイント
- Russ氏の「クリーンでシンプル」という哲学は、高校時代のベル研でのアルバイト由来
- Go言語を作ったRob PikeやKen Thompsonもベル研出身で、Googleに集まったとき3人ともPlan9使ってた。(補足: Go言語は当初よりPlan9をサポートしている1)
- Go言語を開発して公開するまで、多くの人に使われるようなソフトウェアを作ってきた経験はなかった。Google社内やGo Conferenceで、人々がGo言語をさまざまなコアプロダクトに活用しているのを聞くことは、とても楽しい経験だった
- 今のAIブームは、コンピューターの進化の歴史の道筋に乗っているものと考えている。人間にしかできないと考えているものをコンピューターが代替するのは、歴史上繰り返されてきたこと
- AIのデバッグに関する論理思考能力に興味を持っている。実際にデバッグの作業効率は大きく上がったと実感している
- 一方で、AIの出力結果を人々が吟味していない点を懸念している。レビューが不十分な実装は、設計と実装のフィードバックループが回らなくなってしまう。シンプルな設計が維持できないことは、実装の理解を妨げる
- 特定の用途に特化した言語を設計することで、従来の言語で失われた簡潔さ、明確さ、汎用性を取り戻すことが可能となる。
- AIがプログラミングするようになっても、人が理解する必要がある限り、プログラミング言語は無くならない
- オープンソースの本質はコミュニケーション
- AIが初級職を代替することを懸念している。次世代のリーダーへと成長するには、初級職の経験は必須。必ず解決策を見つけ出さなければならない
- ただし、AIが人々の能力向上に役にたつ、という意味では前向きに考えている。
- 解決しようとしている問題にじっくり取り込むこと。一見解決方法が見つかったと思っても、それが正しいかどうか検討する。そういう感覚を養うのが大事。そして、ワクワクする環境に身を置くこと。
Go Wiki: Go on Plan 9 - The Go Programming Language < 今もメンテナンスされているかはわからないが ↩︎
