CoRecursive Podcastにて、ランキングアルゴリズムの歴史について話されていて面白かった。MetaやYouTube、TikTokがどのようにしてユーザーのエンゲージメントを高めているのか。その系譜を辿っている。

以下、雑メモ

  • 初期のHackerNewのランキングはupvoteで上がり、時間(重力)で落ちるだけのシンプルな仕組みだった1。新しい投稿ほど軽く、少ない票で上に行ける。パーソナライズなし、コミュニティ共通のフロントページが作られていた。
  • Redditの論争順アルゴリズムは、単なる人気順だけでなく、「議論が割れている投稿」を上に出す仕組み。合意より対立・議論に強く惹きつけられる、という人間の性質を利用している。
  • ソーシャルメディアは、単純な時系列や投票から進化し、何に反応するかを最適化した。Metaのフィードはいいねやコメント、シェアなどで決まる。その結果、他人の生活や成功が嫉妬などの比較感情を刺激し、結果的にアルゴリズムは人間の感情の弱点を学習し始めた。
  • MetaはMSI(Meaningful Social Interactions)を重視した。これは良い会話ではなく反応が強い会話を優先する。実質的にRedditの論争順アルゴリズムの進化版と言えるだろう
  • YouTueはクリック数から視聴時間を最大化する方向へ向かった。似たユーザーが何を見たかという協調フィルタリングを使用している。より中毒性の高いコンテンツが表示されるようになる
  • TikTokは超短縮動画なので、スワイプやスキップ速度、タップ、停止など1セッション(30分程度)で膨大なデータが取れる。これは、YouTubeが夜間バッチ処理でパーソナライズしているのに対し、TikTokはほぼリアルタイムでユーザーの興味関心を更新しているという違いになる。結果的に、ある動画を見続けるとその動画でアルゴリズムが固定化される。

ショート動画への依存性が強くなっているのは誰もが認めるところだが、これはアルゴリズムが「やめられない行動」を最適化していることによる、というのがこのポッドキャストの結論。人間側の性質や本能に訴えるもので、これに対抗するには構造的に不利。開発者ですら勝てない、とはパーソナリティLiam氏の弁。

不安を煽るショート動画を延々と見続けることをDoomscrollingという。人間の意思ではどうにもできないので、アプリの削除や使用時間の制限、フィード遮断など、環境で制御するのが良い。