AIエージェント開発でのスラングのメモ。いずれも、先日メモしたハーネスエンジニアリングで参照したOpenAIの記事1で目にした単語

YOLO(You Only Live Once)

YOLO (You Only Live Once)は直訳すると「人生一度きり」だけど、AIエージェントでYOLOというと、型やスキーマ、検証をほとんど設けずに、とりあえずモデルにタスクを投げて動かしてみるやり方を指す。物体検出のYOLOのことではない。

AIエージェント開発が出てきた当初は「まず生成AIで開発ループを回せ」という文化=YOLOスタイルが勧められていた。プロンプトと試行回数に頼って結果を引き出すスタイル。

YOLOスタイルの知見が溜まってくると、初速は速いものの挙動は不安定になりやすいとか、特にAIエージェントのように複数ステップで処理が進む場合、小さな誤りが連鎖して壊れやすいとか、ネガティブな面も見えてきた。ハーネスエンジニアリングの文脈ではアンチパターンとされる。

Microsoftの研究者は、YOLOが特にファイル操作においてリークや意図しない削除を招く、つまり安全性に懸念があるとして、YoloFSというAIエージェント操作に適したファイルシステムを提案していた2

ラルフループ

ラルフループ(Ralph loop) とは、AIエージェントに「実装 → 実行 → テスト → 修正 → 再試行」を延々と繰り返させる開発パターンを指す。人間が逐次細かく指示するのではなく、AIにゴールだけを与え、失敗を前提にループを回し続けることで問題を解決させる。最近のAIエージェント開発における象徴的な考え方の1つとも言える。

300 lines of code running in a loop with LLM tokens. You just keep throwing tokens at the loop, and then you’ve got yourself an agent.

(LLMトークンを使用したループ処理で動作する300行程度のコードです。トークンをこのループに次々と入力していくだけで、あっという間にエージェントが完成します。)

how to build a coding agent: free workshop

ラルフとは、アニメ「ザ・シンプソンズ」のキャラ、ラルフ・ウィガム(Ralph Wiggum)に由来するらしい。ラルフは賢いキャラクターとしては描かれていないが、妙に粘り強く、何度も試して偶然うまくいく、みたいな感じで登場する。「AIは完全に理解しているわけではなくても、試行回数を回すことで成果を出せる」みたいなニュアンスだろうか。